【XJR1200&1300】クラッチが切れない意外な原因をお話しします/(゚Д゚;)

XJR1200、1300の整備

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はじめに

古いバイクで油圧クラッチの場合、クラッチが切れないというトラブルは結構な頻度で発生しているかと思います(´゚д゚`)。XJR1200、1300も同様で、管理人の知り合いにも結構な頻度で見られる不具合です。

例にもれず、管理人の愛機も同様の憂き目に遭っており、その度に原因究明と修理、調整を繰り返し事なきを得てきております。まず以って定番とも言える原因は下記ですね。

①クラッチフルードへのエア混入

②クラッチマスターシリンダーパーツ劣化による油圧不足

 【XJR1200&1300】ほぼ持病です(゚Д゚;) クラッチレリーズからのフルード漏れ補修方法です(/・ω・)/

 【XJR1200&1300】低年式バイクは特に注意!( ゚Д゚)!! クラッチマスターシリンダーのオーバーホール方法です(/・ω・)/

犯人はクラッチレリーズ。原因は取付け不良です(´Д`)

クラッチレリーズはクラッチレバーによるフルードの加圧をプッシュロッドに伝え、クラッチを切るパーツです。XJR1200、1300の場合、クランクケースのすぐ後ろに取り付けられています。これですね↓

これをひっくり返すとこうなってます。

クラッチホースからの加圧に応じて可動するピストンがはまっています。真ん中の窪みにプッシュロッドがはまり、ロッドの反対側に取り付けられている何層にも重なった状態で取り付けられたクラッチのプレートを押すことで、クラッチレバーを握る度にクラッチを切る働きをする訳です。

車体にはこのように3本のボルトで取り付けられています。レリーズの直ぐ下、画像の赤い矢印の箇所にボルトで留められたカバーが見えますが、これはオイルフィルターのカバーになります。

このカバーはレリーズの下にはまっていますので、オイルフィルターを交換する際には、レリーズを必ず外さねばなりません。レリーズを外すとこうなっています。尚画像はXJR1300になりますが、構造は一緒です。黄色丸の箇所↓がクラッチを押すプッシュロッドです。

つまり、オイルフィルター交換の度にレリーズを外さねばならぬので、その頻度たるやかなりの回数の脱着をすることになります。

一方クランクケースに留めるボルトはベースがアルミ素材ですので、最も怖いのがボルトを締め付ける時のトルクを掛け過ぎてしまう、もしくはゴミが詰まったボルトを無理に締めてしまうことで起きてしまう、

『ネジ山が舐めてしまった(゚Д゚;)』

という考えたくもない大事件です。

このボルトの締付トルクは10Nmですが、その怖さ故にかなり緩いトルクで締付たくなる心情はとても共感できるものがあります。ここが逝ってしまうことはかなりヤバイですからねー(´゚д゚`)。

実はそのことを十分認識しているバイク用品店のメカニックが、かなり弱めのトルクで締め付けたのではないかと思われる事例を聞いたことがあります。それは、

『気付いたらクラッチレリーズの取付けボルトがゆるゆるになっていた(゚Д゚;)』

という体験談を何度か聞いたことがあるのです。

XJRはマルチエンジンとは言え、空冷ということもありかなりの振動が発生しますので、規定トルクよりも弱く締め付けられたボルトは段々緩んできます。当然留めてあったレリーズは段々と浮いてきます。浮いてくると当然プッシュロッドを押し切ることが出来なくなります。結果、

クラッチが切れなくなります(;゚Д゚)。

実は白状しますと、管理人もトルクレンチを使わず感覚トルクでここを締め付けたことがあります。その後、次のオイル交換時にレリーズを外そうとした際、3本のボルトの内、1本がかなり緩んだ状態になっていたことがありました。トルクレンチを使用しなかったことを思い返して、『なるほど、こういう感じで緩んでしまうのか・・・(゚Д゚;)!』と身を以って経験した訳です。

なので、しっかり対策しましょう(・ω・)ノ

対策は下記かと思います。

①DIYにて交換する場合、必ずトルクレンチを使用してボルトを締める。

②ショップでオイルフィルター交換をする場合、10Nmの適正トルク値での締め付け依頼をする。もしくはご自身でトルクレンチを持っているのであれば、帰宅後にでも10Nmで締まっているかを確認する。

XJR1200&1300】DIY整備では不可欠! サービスマニュアルに記載されている主要ボルトの締め付けトルク値情報です('◇’)ゞ

姑チェックみたいでちょっと抵抗があるかもしれませんが、管理人が車やバイクの整備を、可能な限りDIYでやろうと思ったきっかけが、実はこのメカニックのボルト締付忘れでした。

今から35年以上も昔、管理人が学生だった頃、ショップでフロントブレーキパットを交換後、走り出してすぐブレーキ近辺から『コキッ、コキッ』と、変な音と感触が伝わってきてきました。すぐバイクを停めて確認してみると、何とキャリパーの取付けボルトが全く締め付けられておらず、所謂手締めの仮止め状態でした。ショップに強くクレームを付けたら、『あー忘れちゃってたか』と、なんていうことはないという態度を取られた時は、唖然というよりは、怖さを感じました。しかもブレーキですから(゚Д゚;)。

その時、自分で出来ることは自分で納得出来るようにやろう、自分の身は自分で守ろうとその時決意した次第です。もちろん今はそんな業者はないと信じたいですが、色々嫌な噂は相変わらず聞きますしね・・・(^-^;。

まとめ

クラッチが切れない意外な原因についてお話しさせて頂きました。

クラッチが切れない原因はこれ以外にもクラッチプレートの固着等、古い車体の場合は複合的な原因が絡み合っている場合も多いかと思います。チェックする項目のひとつとして記憶しておいて頂ければ幸いです('◇’)ゞ。