擦れた鞄の革の持ち手 簡単に補修する方法をご紹介します(・ω・)ノ
はじめに
管理人が仕事でいつも使用しているカバンにはPCやら書類やらでいつもパンパン、重さは約5~6kgほどもある為か、鞄の持ち手にはかなりの負担がかかっています。使い始めてから4年も経つと、鞄の革の持ち手はこんな感じに擦れてしまいます。
こちらはもう片方の持ち手
クリーム仕上げの靴とは異なり、鞄やベルト、革小物等は擦れによる色移りがしないように表面をトップコートでしっかりと色止め加工を施しているので簡単に擦れることはないのですが、長く使用しているとコーティングも劣化し、革の表面(銀面)が擦れてスウェードっぽくなってしまうのです。
実は以前別のバッグの持ち手がこれよりもっとボロボロになり、上から新しい革を巻いて補修をしたことがあります。補修方法については下記記事をご覧ください。
鞄の革製持ち手 ボロボロになったので革巻き補修しました( ̄▽ ̄)
しかしこの方法は、持ち手に新品の革を再度巻きなおして縫いますので、かなりいい仕上がりになる一方で手間もコストもかかってしまうのが難点なのです。そこで今回は、もっと早く、簡単に、安く出来る方法で補修することにしました。
又この擦れですが、かなりヤバい状態になったものが、今回のやり方でどれだけ綺麗に直るのかを見て見たかったので、敢えて放置しておりました( ̄▽ ̄)
それでは今回実施した補修方法をご紹介します(-ω-)/。
今回の補修方法と準備した道具です( `ー´)ノ
革面が白っぽく剥げてしまった場合、色移りのリスクを承知の上で、靴の場合と同じように靴用のクリームを擦り込み、ワックスでコーティングするという方法があります。しかし素手でしかも重い荷物の荷重がかかる持ち手ですと、ワックスはすぐに剥げて元のハゲハゲに戻ってしまいます。又ワックスの艶感と剥げていない色止め箇所の艶感が異なるので、見た感じも違和感が出てしまいます。
最も自然に目立たなくすることが出来る方法としてこのように作業することにしました。
①染料で色入れをする
②色入れした箇所の染料が色移りしないよう、トップコーティングすることで色止めをする。
尚今回の補修で準備したものは下記になります。
・メリヤスクロス(着古したTシャツ等で可)・・アルコールで拭く際に使用
・アルコール(掃除用エタノールで可)・・・・・革の脱脂に使用します
・黒の染料・・・・・・・・・・・・・・・・・・抜けた色を補色します
・トップコート(ウレタン)・・・・・・・・・・色止めとコーティングに使用
・綿棒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・染料等の塗布にしよう
実は以前、革のベルトを染料入れ→乾燥→バインダー塗布→乾燥→アクリル系トップコートで仕上げたことがあります。数日間十分に乾燥させた後、強度面を確認すべく、濡れたクロスで強めに擦ったところ、意外とあっけなくコーティングが剥がれてしまいました。もちろん革の種類や状態、又このような荒いテスト方法によってこのようになってしまった恐れは否めませんし、擦れの頻度がない箇所等でしたらアクリル系でも問題ないかと思います。
しかし今回使用するのは鞄の持ち手で、手の汗や鞄の重さにコーティングが耐えなければなりません。余談ではありますが、管理人が頻繁にやっている車やバイクのDIY塗装においても、ガソリンで簡単に溶けてしまうアクリル系缶スプレーよりもウレタン系塗料の方が間違いない信頼を寄せているということもあって、今回はウレタントップコートを選ぶことにしました。
それでは作業開始です('◇’)ゞ
それでは作業開始です。
まず持ち手革部分を全てアルコールで拭いて脱脂し、十分に乾燥させます。持ち手部分には握った際の皮脂等から油分が染み込んでいる恐れが多分にある為、革に油分が含まれていると、染料やコーティング剤が定着しづらくなり、剥がれてしまう原因となります。又擦れた部分のみならず持ち手全てをアルコールで拭く理由は、擦れた部分のみならず、持ち手全てを染料入れ&コーティングする為です。こうすることで、擦れた部分とそうでない部分の色味と艶感を同じにすることが出来ますので、違和感が減る効果を期待することが出来ます。
脱脂後に染料で黒く染めます。使用した染料はこちらです↓
Lizedのレンカラーです。皮革生産工場でも使用されているそうで、安心して使用出来る商品だと思います。
綿棒に染料を染み込ませます。
まず全体の色目を合わせる為に、染める時は色抜けした箇所のみならず、持ち手の革を全て染めるようにします。
色が抜けた部分は一度塗っただけでは乾くと色が薄くなる為、二回目からは色抜け部分を中心に、色抜けしていなかった部分との境目をぼかすようにしながら塗布します。刷毛でなく綿棒を使用するのも綿棒の方がぼかしやすいからというのも理由のひとつです。刷毛でやった場合、境目をぼかそうとしても刷毛目が目立ってしまう恐れが多分にあるのです。又綿棒は1本当たりのコストは極めて小さいので、コスパ面でも優れていると思います。
重ね塗りする際は完全に乾燥してから塗り重ねます。色抜け部分は乾燥→塗布を計3回繰り返しました。
左が塗布済で、右が塗布していない持ち手です。
一見して色味が黒く染まっていることが分かるかと思います。擦れていた箇所は艶消しのようになっていますが、この後コーティング剤を塗布することで、艶感は同じようになるハズ・・・ですね( `ー´)ノ。
染め作業が終わりましたら、完全乾燥後にウレタントップを塗布します。