純正スターターリレーの分解、不具合発生原因の検証をしました( `ー´)ノ

XJR1200、1300の整備

はじめに

愛機XJR1200の不具合が最近顕著になりました。長い時間走行し、エンジンがかなり熱くなった時にエンジンを停止。すぐにセルスイッチを押すと上手くセルが回らずエンジンがかからないという症状です。

原因追及の結果、どうやらスターターリレーが怪しいということになりました。汎用スターターリレーに交換したところ不具合が発生しなくなりましたので、やはりリレーが原因であった可能性が大かと思います。

冷間時には問題なく作動するスターターリレーですので、何が不具合を引き起こしているのかを探るべく、スターターリレーを分解してみることにしました。

では分解を始めますよ('◇’)ゞ

左が分解する純正スターターリレーです。右は純正のかわりに取り付けた汎用スターターリレーです。

全然形は違うのです

汎用スターターリレーの取付け方法は下記をご覧ください↓

汎用スターターリレーの取付け方法

スターターリレーは非分解方式となっていますので、物理的に器を壊していくしか分解する方法がありません。

ディスクグラインダーを使って剥いでいきます。

プラスチックの焼ける臭いが半端ねえ( ゚Д゚)

下蓋が外れました。

中にはコの字型の鉄で出来たパーツが入っています。更にバラしていきます。

多分、鉄

鉄のパーツを取ると、バネがはまっていました。奥には銅線で出来たコイルが見えます。

検証する場所をテーブルに変更します( `ー´)ノ

コイルの下側の受けを外します。

かなりガッチリ組み上がっています

凄い量の銅線がコイルとして内蔵されていました。

これだけ銅線が入っていれば、通電して機能する電磁石の磁力、半端ない強さではないかと思います。

これにはたまげました(;゚Д゚)

中心に電磁石となる心棒が見えます。

核心に迫ってきた感じ

外すと心棒は思った程大きくはありませんでした。

さあ、いよいよですよ(*’▽’)

心棒の奥には真ん中に黒いスイッチのようなポッチと接点基板が見えます。

御開帳です・・・!?

真ん中の黒いポッチを押してみると、やはりスイッチのようで裏側にバネが入っているようでした。

スターターモーターに繋がる左側の基板が、真っ黒にススけているのが気になります。手前にはまっていた心棒の頭には、スイッチを押していた跡が残っていました。

スイッチの素材、炭素棒っぽいです。通電性は抜群で、しかも錆びない。

指で黒いポッチを押してみると、明らかに裏側にスプリングが入っているようで、押すと引っ込み、離すと戻るようになっています。

押すと、コクッ、コクッって感じで動きます

スイッチの仕組みと不具合原因の推測

仕組みを下記のように図解してみました。

通電がない通常時は、真ん中の心棒が下側にあるバネによって上に押し上げられ、奥で接触しているスイッチを押しています。このスイッチは押されていると接点が離れるようになっている為、スターターモーター駆動の電流が流れず、モーターは止まっています。

スイッチ配線は銅線コイルに繋がっていますので、通電するとコイルによって心棒が電磁石となり、下の鉄板に引き寄せられくっ付きます。

心棒が下がったことで奥で抑えていたスイッチがリリースされ、スイッチの裏側のバネの力でスイッチが押し下げられて接点が繋がり、バッテリーからの電気が接点経由で流れ、スターターモーターを可動させます。

冷間時には問題なくスターターモーターは動きますので、しっかりスターターリレーは機能しています。それが熱くなっている時に通電していないという症状で、原因として想定されるのが、ハンダ割れですね。

外からのコードはこの銅線に繋がっている訳ですが、プラスチックパーツの中に入りこんでいて見えない内部で接続しています。

ここまで来たらものは試しと、カッターの先を使って掘ってみることにしました。

こりゃあ、時間かかるぞ・・・(;゚Д゚)

中はこうなってました。銅線は銅の端子に巻き付けられ、その端子を折り返しているようです。奥の方でリード線と端子が接続、ハンダが使われているかどうかは確認出来ずませんでした。

従ってここが不具合の原因であるとの特性は出来ませんでした。

まさに発掘

XJR1200&1300】DIY整備では不可欠! サービスマニュアルに記載されている主要ボルトの締め付けトルク値情報です('◇’)ゞ

まとめ

純正スタータリレーの分解、不具合箇所の検証をご紹介しました。

結局不具合の原因特定は出来ませんでした。ここまで確認した中では、一番怪しいのはスターターモーターに繋がる真っ黒にススけた端子かと思われますが、通電性は温度変化により影響が果たしてあるのでしょうか・・・。

カチッとマグネットスイッチの音がしているのにセルが回らない場合は、このススけた端子が原因の可能性が大かと思いますが、カチッすら言わない場合となると、やはりコイル接続箇所の通電不良であるような気がします。お分かりになる方がおられましたら、ご教授頂ければありがたいですm(__)m